ライジングコメント欄に届いた
『おぼっちゃまくん』の感想を
ご紹介します!
人の間と書いて[人間]。
他者との関係性を断ち切ってしまって、
人間性を失い、獣性が剥き出しになってしまった
その「低能先生」はもう最悪ですが、
例えば19世紀前半のイタリアのオペラでは、
発狂したヒロインの歌う
「狂乱の場」が流行ったそうですし、
20世紀にも『サロメ』『ヴォツェック』
『ルル』『炎の天使』など、
狂人のオペラは人気が高い。
或いは、芥川龍之介とか、島崎藤村とか…。
人は「狂気」というものに対して何か魅かれるもの、
憧れるものがあるのでしょうか?
日常からの脱却・解放?破壊衝動?
ある種の承認欲求?ただのゲテモノ趣味・猟奇趣味?
前回の『おぼっちゃまくん』のこども食堂の話、
久々に「この作者狂っとるわ~」と思わされた
漫画でした。勿論面白かったですよ~!(^^)
そして今回の、セクハラ糾弾の狂気を
具現化した怪物キャラ、「節句孕芽」・・・、
怖い!恐い!コワい!(;゚;Д;゚;; )
また変に人間味があるところが
生々しくてキモヤバい!
それでいて、下手な教条主義的に陥らずに、
より深くセクハラ糾弾の欺瞞を抉り出して見せている。
その上で、さらにそれを笑いにして見せようと、
よしりん先生が楽しんでいるような・・・?
よしりん先生の絶妙なバランス感覚と
ギャグセンス!(最後の貧ぼっちゃまよ!)
そう、狂気も人間の本質。
狂気、魔性、凶暴性、怪物性、異形性、悲劇性…、
それらは人間というものの一部分であり、
それを否定するということは、
人間性を否定しているようなもの。
「節句孕芽」にせよ、アーバスの写真にせよ、
“狂気の芸術”とは、普段闇に隠れ潜んだ人間の本性を、
優れたセンスと手法でバン!と
デフォルメして描き出してみせたもの。
よって、我々はその“真実味”に
強いインパクトを受け、
“生”の実感、実存、時には
カタルシスをも味わわされる。
或いは、心の弱さ臆病さから、
つい拒絶反応を起こしたりもする。
しかし、下手するとただあざといだけのもの、
陳腐なもの、キッチュなもの、荒唐無稽なもの、
或いはただの酔狂や気違いに成り下がってしまう。
そこに作者の芸術性、バランス感覚が
問われるわけですが、そう考えると、
ギャグ漫画を世に出し続けるということは、
とんでもなく難しく大変なことですね。
改めてよしりん先生の恐ろしさ、
芸の深さには敬服させられます。
以上、ライジングにかこつけて、
おぼっちゃまくん賛でした。
さあ、次回は何が出てくるやら、
楽しみにしていますv(・∀・)o
(↑↑↑~→*☆さん)
「狂気」に着目して、
今週号のライジングと
『おぼっちゃまくん』を関連付けた、
鋭い評論をしていただきました!
狂気も人間の本質である以上は、
狂気といかに向き合うかということは
永遠のテーマだと言えますね。